お昼の給食は、利用者のハンディに合わせた5種類の調理方法で

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自慢の給食の舞台ウラ

あゆみの家の自慢のひとつにお昼の給食があります。

例えば、食事の摂取にハンディを持つ利用者に合わせて同じメニューでも5種類の調理方法をとっています。

  1. 普通食
  2. みじん切り食
  3. きざみ食
  4. 柔らか食
  5. ペースト食

です。
また、厨房の主任の長谷さんは、この道ひと筋の大ベテランで当日の急な変更に素早く、快く対応してくれます。

長谷さんの「給食・3つのモットー」は、第1は衛生、第2に味と見た目のおいしさ、第3は食べ残しが最小量であることだそうです。実際、このモットーが日々実現しています。

長谷さんは、あゆみの家の給食の責任者になって6年目ですが、ここに来る前は一部上場企業の社員食堂の厨房責任者でした。昼食時間には500人の社員向けに4種類の定食を日替わりメニューで出していました。

色々と制約のある仕事

食数だけ見れば10分の1になって楽になりましたが別の苦労があります。例えば、前は会社の食材センターから一括して入荷してきましたが、今は一部はセンターから入りますが、多くは直接仕入れになりました。給食業務を受注した時の契約条件に「なるべく食材は地元の業者から」という約束があったからです。
そこで長谷さんが、量は少なくても近隣の八百屋、魚屋、肉屋、豆腐屋、地元スーパーに出向いて購入しています。でも、この数年で馴染みの八百屋さんと魚屋さんが閉店してしまいました。また、食材費も数が多いと大量仕入れの効果で低額で済みますが少量で日々仕入は割高になってしまいます。事前に週間メニューをお知らせしているので、その日の格安品で食材費を抑える調整も困難です。
さらには摂食にハンディを持つ利用者が、むせや誤嚥を引き起こしやすいという理由から使用禁止の食材が相当あります。また、普通食やきざみ、みじん切りでは問題がなくても柔らかやペーストにするのが難しいメニューも出せません。
例えば、チャーハンは、柔らか食やペーストにするためにおかゆ状、スープ状にしたのでは全く別メニューになってしまうか別の味になってしまうので、普通食だけなら色々な種類が楽しめる献立ですが出せません。

使用禁止の食材(これでも一部です)

  • [野菜系] にら、セロリ、もやし、筍、みつば、いんげん、絹さや、アスパラガス、きくらげ
  • [加工品] 油揚げ、厚揚げ、こんにゃく、白滝、ベーコン、焼き豚、ウインナー、ビーフン、春雨、ちくわ、かまぼこ、がんもどき、薩摩揚げ
  • [海草系] ひじき、わかめ、昆布
  • [きのこ系] えのき、なめこ、干しシイタケ、マッシュルーム、まいたけ

こうした難問を抱えながらも「仕事に苦労はつきもので全く苦になりません」という長谷さん。「ここに来る前は時間と数量の勝負でしたが、今は、一人一人に合ったオーダーメイドの食の提供ということで、やりがいがありますよ」という長谷さんにパートの方2名を加えた3名でどこよりもおいしい食事作りに励んでいます。

ふしぎな縁もあって・・・

kyusyoku
食材や購入先の制約に始まり、調理方法の複雑さ等、きめ細かな対応が求められる仕事を当たり前のことのようにこなしている長谷さんですが、その経験や勘、蓄積してきた情報はマニュアルにすることは難しそうです。長谷さん抜きではできない気もするのですが、生身の体、何かあったら…と心配です。

「そこは会社で受けている仕事ですからご安心を。今も栄養士や会社のマネージャーとも緊密に連絡を取りながら皆さんの要望に応えるようにしています。決して、私一人でできる仕事ではありません。」

実は、長谷さんが所属する会社は、あゆみの家の給食を担当する前から西落合にある会社の社員食堂の業務を担当しています。あゆみの家から徒歩3分程の会社は、近隣の人なら誰でも知っているこの地域で1番か2番目に大きな会社です。

だからその日の突発的な出来事でも調理員の応援を得る等、緊急対応ができます、というお話でした。

おいしい給食のためには長谷さんの元気と健康が第一ですが何か健康法は…?

「3・11の震災後は、三鷹から毎日1時間かけて自転車通勤しています。以前は電車でしたが、震災に限らず電車はいつ運行停止になるかわからないし、遅延がひどいと給食の準備に間に合いません。だから、あれ以来自転車通勤にしたので、それが健康法かな…」

どこまでもプロ意識に徹している長谷さんでした。とにかく、お元気で!