通所者の母親にインタビューをしました

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所長の無茶ぶりインタビュー、今回は、自宅から通所している利用者の母親3名、福祉ホームから通所している利用者の母親1名にインタビューです。

10年後の生活のイメージは?

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◆所長:
1年前にあゆみの家に来て最初に調べたことが主な介助者の年齢です。主な介助者のほとんどは母親で、年齢は、43名中40~50歳代が15名、60歳代が13名、70歳以上6名という結果でした。そこで10年後のことを考えると70歳以上が28名になりますが、現在、福祉ホームに入居している方が9名いて母親の年齢は70歳以上が6名で、このあたりが家庭で支える限界なのかなという気がします。ですから10年後には、福祉ホーム等への移行が差し迫った問題になる方が20名近くにのぼることになります。

10年後をどう考えていますか?

●母親A
うちの場合は、既に医療的なケアが必要なレベルですから10年後は、医療面の体制が整った入所支援施設を探していると思います。できれば身近な地域でという希望はありますが、支援体制から考えると地域の福祉ホームでは難しいかなと思います。

●母親B
娘は発作がかなり多いので医療や健康管理で安心な施設への入所を考えています。小さい頃から医療体制の整った郊外の療育センターに1、2週間預けて過ごすことを繰り返してきました。そこは、医師や看護師がいて緑の多い環境も気に入っています。将来的にはそこに入所できていればいいと考えていますが、果たして入居できるのか、今はわかりません。ですから短期入所もあゆみの家以外の施設も積極的に利用して家族以外の介助者に慣れるようにしてきました。

●母親C
娘は6年前から福祉ホームに入居しています。私は、10年前は父母の会の役員だったので重度身体障害者が地域で生活できる福祉ホームの建設運動に関わっていました。それまでは介護体制を考えると福祉ホームは無理だろうと考えていましたが、長年の運動が実って重度であっても支援するホームが誕生するということで思い切って入居させました。大きな入所施設と違って10人規模なのでとても家庭的で一人一人に応じた支援を得ることができて、親も気楽に顔を出せる距離なので本人も現状に満足していると思います。10年後で心配なのは加齢に伴っての重度化で医療的ケアや健康管理で専門的な支援が必要になった時にホームの生活を継続できるのかという問題です。そうなったら入所支援施設に移ることも考えないといけないのかな、と心配しています。

●母親D
本人の弟が都内に住んでいて、お嫁さんも理解があります。私は兄弟なんだから面倒を見てほしいとは考えていませんが、親戚や世間的には親亡き後は兄弟が世話するのは当たり前という目もあって困っています。グループホームに入居できれば…と思う反面、すごく不安です。2年前に私が手術のために1か月ほど入院した時に区内の短期入所の利用が無理で茨城の施設に預けましたが、階段から転落する事故がありました。知的障害で多動、言葉で会話ができないので不慣れな所だと目が届かないし、通い慣れた作業所でも行方不明になって大騒ぎになったことが何度かあります。だから10年後も私が元気な間は自宅だと思います。

将来に向けて備えは大丈夫?

◆所長
10年ひと昔と言われますが、10年なんてあっという間です。実際に親が亡くなった時や介護やら認知面の病気で自分が誰かの手を借りる側になったら我が子の介護も健康や金銭管理も第三者に委ねることになるかもし
れません。そうした心配をしないで済むように何か備えはありますか?

●母親C
ホームに入居してからお盆やお正月に娘を自宅に呼んで過ごすのも楽しみにしていますが、年々宿泊数が減ってきました。お風呂介助とかきつくてできないからです。実際、10年後は、娘の心配をしてあげられないかもしれません。そこで最近は成年後見のセミナーとか勉強会があると同世代のお母さんと足を運んで勉強していますが、制度の中身が難しい上に一長一短があって迷っています。

●母親B
親が亡くなるとか、判断できなくなったら金銭管理のことは、兄弟にお願いすることになると思います。成年後見は、本人のことや障害者福祉のことを理解している後見人が見つかるのか疑問です。また、一度決めると簡単に代えることができないとか、後見人の権限がすごく強いという話も聞いたことがあって、だったら兄弟や親族を後見人にするのはどうかと考えたりもしますが、今は、成年後見の利用については、何も決めていません。

●母親A
おふたりのお話を聞いて、私は、まだ切実感がないんだなと思いました。うちは妹がいますが、親としては兄妹には別の人生があるわけですから、親亡き後を託すなどとは考えていませんが、妹なりに気にかけているのはすごく感じます。成年後見のことは、パンフレットやニュースで見聞きする程度で、まだ知らないことだらけですから、あゆみの家で障害者の実情に即した情報やお話を聞ける機会があれば、ぜひ参加したいと思います。

●母親D
弟が仕事も収入も安定していることもあって、私がいなくなったら先ほどお話ししたように、弟が「余力があるのだからお世話をするべきだ」と周囲から責められるようなことにならないかと、心配しています。