利用者満足度調査を実施しました。
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満足度が今年も高かった「通所バス、給食、入浴」3つのサービス。
今回は「重要な課題」についても聞きました。
12月の職員会議は、「利用者満足度調査の結果をどう考えるか」をテーマにしました。冒頭、所長からこんな話がありました。「この調査は、第三者サービス評価と並んで外の目と声を運営に生かすことを目的に実施していますが、今年は特に大事です。区直営から法人運営に代わって5年目の来年は第1期指定期間の最終年です。来年は第2期も私たちが運営を担うために次期5年間を見すえた運営をしながら、第2期に向けた提案をしなければなりません。大切だというのは、その検討を進める際の材料やヒントがこの調査結果の中に詰まっているからです。」
そんな事情から今回の調査では新たに12項目の「重要課題調査」も実施しました。満足度調査はもっぱら日々提供しているサービスに関する満足度を聞くものですが、重要課題調査では、将来に対する不安や要望、あゆみの家以外の時間や曜日も含めた生活全体について聞きました。
重要課題の12項目の質問とは…
- 「あゆみの家にずっと通わせたい」と思っている
- 家事や仕事、介護でもう限界に近い毎日だと感じている
- 困ったことがあっても誰に相談したらいいかわからない
- 高齢化や働く親が増えて父母会役員の負担がとても重く感じる
- 他の保護者が困っていても声をかけにくい
- 保護者、職員、区役所の協力体制がよくできている
- 親なき後に本人の支援を誰が担うのかを考えると、とても不安
- 保護者のコミュニケーションに世代のギャップを感じる
- あと10年くらいは今と同じように本人を支援できる
- 本人の将来については、保護者同士の助け合いがとても大切だと思う
- あゆみの家は区立施設だから将来にわたり安心だ
- いつ入所施設や福祉ホームに入居してもいいように親として心の準備はできている
この質問に「とてもあてはまる」「少しあてはまる」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」「わからない」の5つの選択肢から答えてもらいました。
これらの課題や不安は、多くの保護者が日頃感じていることだろうと予想していましたが、結果は、予想以上に保護者の思いに多様性があることがわかりました。例えば、「とてもあてはまる」「少しあてはまる」の合計が70%以上になった項目が4つありましたが、どれだったでしょうか。
1位:あゆみの家にずっと通わせたいと思う(96%)
2位:高齢化と働く親が増えているので父母会の役員の負担がとても重い(81%)
3位:親亡き後の支援を誰が担うのかを考えると、とても不安(73%)
3位:あゆみの家は区立施設だから将来にわたり安心だと思う(73%)
逆に、「あまりあてはまらない」や「あてはまらない」の合計が予想以上に多く、こちらが考えていたほど緊急度や切迫感がないことがわかった項目もあります。それは…
1位:困ったことがあっても誰に、どこに相談したらいいのか、わからない(65%)
2位:他の保護者が困っていても、なかなか声をかけにくい(50%)
3位:家事や仕事、介護のことで限界に近い毎日だと感じている(47%)
3位は、今年は在宅生活が困難で入所施設に移行した利用者が10名出たことが大きく影響した結果でしょう。
まずまずの結果だった満足度調査
利用者満足度については、例年と同じ21項目の調査を行いました。調査票は、平成27年12月現在在籍している利用者のうち1年以上の利用実績のある33名に配布して、回収は26名(回収率79%)でした。
回答方法は、無記名式で、満足度に応じて5つの選択肢から回答を得ました。(「とても満足」「まあまあ満足」「普通かな」「やや不満」「とても不満」「何ともいえない又は非該当」)。他に、自由記述欄を設けて意見や要望を記入していただきましたが、調査結果の特長は、次のとおりです。
◆「とても満足」の回答が多かった項目
1位:通所バスによる送迎(とても満足54%)
⇒前年度は、47%
2位:入浴サービスの利用(とても満足47%)
職員に対する意見の言いやすさについて
⇒前年度は、30%
3位:給食による食事提供(とても満足46%)
⇒前年度は、56%
◆「とても満足+どちらかといえば満足」が多かった項目
1位:入浴サービスの利用(満足度82%)
⇒前年度は、61%
2位:給食による食事提供(満足度81%)
⇒前年度は、77%
3位:検診や医療的ケア等の健康管理(満足度77%)
⇒前年度は、82%
3位:職員に対する意見の言いやすさ(満足度77%)
⇒前年度は、73%
通所バスや給食、入浴がないとなると保護者の送迎や給食の持参を求められ、入浴もできないと家族の負担は大変なことになり継続的な通所はできなくなります。区立施設でこれが保障されている満足度が非常に大きいようです。
◆「とても不満+どちらかといえば不満」が多かった項目
1位:施設の使い勝手 〜活動室の広さや機能〜
(不満度31%) ⇒昨年度は、18%
2位:個人の年齢や適性に配慮した個別プログラム
(不満度12%) ⇒昨年度は、18%
上記2項目以外で10%以上の不満度になった項目は、ありませんでした。昨年は、上記以外でも「日中活動のプログラムの種類や内容」で18%、「緊急対応や事故の連絡や報告」で18%の不満度が示されました。(今年は、「日中活動のプログラム」では4%、「緊急対応や事故報告」では8%という結果でした)。全体的には年々、満足度は少しずつ向上していてまずまずの結果でした。
他にどんな調査項目があるのか紹介します。(右側の数字は、「とても」と「まあまあ」を加えた満足度の数字です)
- 職員の説明や報告のわかりやすさ、丁寧さ:65%
- 職員の介護や支援の習熟度や安心感 :65%
- 見学や訪問のしやすさ(開放感、親近感):61%
- 個別支援計画やリハビリ計画について :65%
- 年齢、適性を配慮した個別支援プログラム:62%
- あゆみ祭や「あゆみだより」による啓発 :61%
- 災害時の防災対策(備蓄品やマニュアル):46%
- 個人情報保護や権利擁護、虐待防止 :47%
- 緊急対応や事故に関する連絡や報告 :38%
最後の3項目の満足度が低いのは、取り組みの中身が十分に周知されていないことも影響しているようです。